蓮沼執太フィル『日比谷、時が奏でる』のお知らせ

2019/08/04/SUN

8/25に日比谷野音にて、蓮沼執太フィルの公演『日比谷、時が奏でる』が開催されます。

今回の公演で私は最後の参加となります。

これまで聴いてくださったみなさま、ありがとうございました!

『日比谷、時が奏でる』は2部構成での公演です。

第1部では総勢26人編成による「蓮沼執太フルフィル」での演奏、

また、様々なミュージシャンをゲストとしてお迎えしてのフィルとのコラボレーション。

第2部ではフィルのファーストアルバム『時が奏でる』の収録曲を全曲演奏する、という内容です。

天気に恵まれるといいですね・・・

(天気の神さま、どうかなにとぞ!)

公演詳細はこちらです。

https://www.hasunumaphil.com/performance/246/

みなさまぜひお越しください!

し(4)

2017/10/05/THU

美しい馬を心に知っている

今日のような日にそれを思い出す

あと三十年位かけて山は絶えず移動し

両肩に異なる川を立てる

金色のような 柿色のような

なんでもない秋の昼間に

失うことのできない変わらなさを感じている

みつめることのできない穏やかさを信じている

向かおう こちらへと

美しい馬を心に走らせ

 

し(3)

2017/06/30/FRI

六月

美しい毛布を吸い込んで

猫は重たくなり

わたしを思い出す

六月

丸くなった枯れ葉を踏んづけて

猫は軽くなる

わたしはいなくなる

ほこり ほこり ほこり ほこり ほこり ほこり

六月

美しい毛布を磨き終えて

猫は作り出し

わたしは飛びかかる

し(2)

2017/02/02/THU

距離が壊れていて

痛みが遅れてやってくる

音楽は曲がっていて

わたしは先に願ってしまう

生きている場所には暗闇が降りつもり

なくなったものは神様と離れ離れ

生きている場所には暗闇が降りつもり

神様と離れ離れのなくならないものがいる

髪の毛が壊れていて

痛みが先にやってくる

背骨が曲がっていて

わたしは遅れて願ってしまう

し(1)

2017/01/19/THU

それを

想像するのは

わたしではなく

体の中に血を流し

生きている

それそのもの

まだない

詩は

これからも

まだない

世界は

それを

想像しながら

土地ではなく

迷いの中に息を流し

生まれている

それそのもの

まだない

詩は

これからも

たくさんある

あなたを

かつて

想像できずに

仕方なく

わたしの中に血を流し

生きている

それそのもの

明けましておめでとうございます。

2017/01/05/THU

明けましておめでとうございます。 お正月はちょっとしたものをせっかくだからとついついつまんでお腹を膨らませて、気持ちの方は妙にすっからかん、のようでいて混雑してもいるような、日々の糸くずを一旦片付けてともかく新年ですという気持ちと、糸くずから離れたくない気持ち。見る夢もうまく思い出せないけれど色んなことがあって鼻の尖った茶色い犬、事件、シンセサイザーを弾いていて、別の事件、小さな羊のPAさん、音が出ないです、音楽会をまたやることになって、事件、年末年始の何日かで見た断片なのでどれが初夢か分からないけど、それはさておき毎年年末に大掃除のついでにと、物の置き方よくないな、もっといい配置はないかなと考え込んで終わらないまま年が明けてもしばらくガタゴトやっていて結局どこか程よいところで目をつむって大雑把にまとめる、それを今回しませんでした。そのうちまた収まりがわるい感じになるだろうし年末にそれをやるのはやめてみようと思い、そしてこれまでやってきたことを今年も続けてやっていこうと思う。音作りと曲作りとピアノを今年もやろうと思う。考えてきたことを今年も考えようと思います。曲を作ることと演奏すること、ピアノを弾くことと音を作って組み立てること、ひとりで作ることと人と一緒に作ること、作ったものが作ったものとして自分の耳に聞こえる音楽と、それを他の人に聞かせるときの音楽、ふと音楽という言葉が登場してそれが何か巨大なひとくくりだとしたら、果たしてわたしは何をしていることになるのか、と糸がほつれて、これだよと思って頭の中を片付けて、生活すれば埃がたまる。わたしというひとくくりにも。だから毎日歯磨きするように音楽をしたい、そして閃いたら大掃除もしたい。今年もよろしくお願いします。

アルプと映画『知らない、ふたり』

2015/12/17/THU

ここ数年色々な場面で一緒に活動している石塚周太との音楽プロジェクトとして、新しくユニットを始めました。

アルプという名前です。

以前よりずっと温めてきましたが、ようやくはじめることができました。

公式サイトを開設しましたのでぜひご覧ください。

ここでアルプの音楽や色々な活動を紹介していきます。どうぞよろしくお願いします。

アルプ公式サイト

http://www.alp-pla.net

また、来年1月9日より公開となる映画『知らない、ふたり』の音楽を、そんなアルプが手掛けております。

アルプ初仕事として、思う存分楽しみながら一生懸命作りました。

映画『知らない、ふたり』公式サイト

http://shiranai.jp

そして、映画の劇場公開に先駆けて、この映画のサントラ「知らない、ふたり オリジナル・サウンドトラック」が12月23日に発売されます。

色々な過程の中で見い出してきた自分達なりの音楽と、この映画に対するアプローチが面白い具合に絡まって、とびっきりのアルバムができあがりました。

映画サントラとしてもアルプの初音源としても、たくさんの方に聴いてほしいアルバムです。

このサイトのリリースページや、アルプ公式サイトにて詳細を紹介しておりますので、ぜひぜひご覧下さい。

とりいそぎのご報告ですが、アルプと映画『知らない、ふたり』をなにとぞよろしくお願いします。

オバケのみなさまどうぞ一緒にうたってください

2015/05/22/FRI

「オバケがうれしいときのうた」

作詞 梅本チンウー 木下美紗都

ヒュードロドロロー

犬もハクビシンも猫もこんばんは

空高く飛ぶよ星が散らばるよ

ヒュードロドロロー

風よりはやく走りたい

しびれる気持ちが浮かぶよ

木々のなか鳥たち眠る

あたたかな夢を見て丸くなる

ぼくは家族のことおもう

石ころは旅する星を見ている

青色

2014/11/23/SUN

青色本を読み直そうと思って本を開くものの、途中で気が逸れてしまい結局最後まで読まないということがここ1、2年の間に何度かあった。最近も同じようにふと気になって引き出しから取り出したものの、すぐに本を閉じてしまう。そして青色という曲を10曲作った。というとあたかもそれらしいが、もともと11月のいくつかのライブのために新しいセットを作ろうとしており、混濁したいくつかの興味やアイディアを整理したとき、そのうちの一つを青色と呼ぶようになった。1時間分のセットの4分の1くらいにするつもりで、1分程度の短い曲を10曲作ろうと決めた。そうして作り始めたものの、かれこれ2、3週間、ライブの数日前まで、青色を作ることに没頭してしまう。同じ位の分量のものをあと2種類ほど作るつもりでいたが断念し、青色もライブで演奏はしなかった。

最近は、曲を作り始めるとき、まずピアノを触るところから始めることが多い。ピアノによって可能な音楽ということだけになるべくこだわらないようにしようと思う反面、いざ作り始めると、ピアノの音色や鍵盤の上で可能な動き、鳴らすことのできる音の性質の中で考えることに集中してしまい、なかなかそれ以外のことに視点を持つことが難しくなる。ならば、鍵盤、特にピアノという完成された楽器によって生まれる音を、自分の限られた指と共に認識し直そうという気持ちもあった。

白鍵と黒鍵が順序よく並び、その間の音を出せないピアノを前に、白から黒へ、黒から白へ行き来する世界の中に何度も青色が発見されてきたことを想像する。作曲ということに関して、音楽自体の方法や純粋に演奏の延長として以外のところで始めるとき、あるいは付与していくとき、何か音でないものを音の動きに見立てるということはとてもよくあることだし、自分が魅入られたそれを見立てとして作曲することは今の自分には自然に没頭できるやり方だが、何度も、見立てることのばからしさや、そうするために設定したルールの間違えているかもしれないことを思う。それでも、はっきりした輪郭や時間の展開よりも一瞬一瞬の響きの推移や残響、ふと色だけが浮かび上がり揺れ動く、その色の条件に基づいて動く、そんな音楽を作りたいと思った。

明けてゆく頃の空に青色を発見するとき、その一つの青色という呼び名の中に、非常に多くの青色が含まれているということに驚かされる。特に青色を作っていた10月頃の空は大気や雲の様子も日々刻々変化に富んでおり、美しいと思うより先に驚かされた。昼になって光が地上の形ある物に十分に届く頃は、空は世界の背景かキャンバスそのものであるかのようだが、明けてゆくころの空では遠くの空気に塗られてゆく塗り立ての色たちが、光の量や大気の状態に適った仕方でその時々の複雑な色を作り、動いている。様々な青色の段階が、ピンクや黄色やその他の色に囲まれながら、輪郭のはっきりした地上の物質に投影されるよりはたぶん重力からある程度自由に、しかしその色をその色として構成する条件には則して動いているように見えた。

青色という10曲は、ピアノとギターによる短い曲たちで、しばらくの間、出演予定のライブ会場でこの曲を収めたCDRを販売します。

"Alberto Balsalm" / 木下美紗都と象さんズ ( live at 渋谷La.mama / 2013.8.11)

2013/10/03/THU

こんにちは。

サウンドクラウドに音源をアップしました。

2013年8月11日、渋谷La.mamaにて行った"木下美紗都と象さんズ"のライブ録音です。

曲はAphex Twin の"Alberto Balsalm"のカヴァー。

録音とミックスは象メンバーの石塚周太です。

(当日、録音に協力してくださった渋谷La.mamaの吉田さん、PAの河本さんどうもありがとうございました!)

"木下美紗都と象さんズ"というのは、去年の春先にひょんなことから結成したトリオ編成のバンドで、

メンバーはわたくし木下美紗都と石塚周太とJimanicaの3人、歌とピアノとギターとドラムで音楽を象る、の図です。

象さんズ、すごくいいですよ。

来週ライブあります、10/12(土)@VACANT。

みなさまぜひいらしてください!

ごあいさつ

2013/08/27/TUE

こんにちは。

夏も老いゆく今日この頃ですが、このたびホームページを開きました。

今後ここで活動情報を発信していきます。

トップのサウンドクラウドは不定期になんとなく更新していく予定です。

今回は2011年リリースのセカンドアルバム「それからの子供」から、『セーラー』。

もう2年前に発表した曲です。

光陰矢の如し。

セーラー、sailer、帆船。

とは、帆に風を受けて推進力とする船のことだそうです。

今後とも、どうぞよろしくお願いします。